ベートーベンの遺体解剖記録(耳)

彼の剖検記録(耳の部分)から引用。
この記録が正確であれば現在
神経性難聴とよばれているもので、
今日の医療技術をもってしても、
この難聴治療は困難である。


 耳の軟骨は大きく凹凸不規則で舟状窩および耳介は
非常に大きく、普通の人より耳半分ほど低くついている。
耳輪の隆起や回転は著しく盛りあがっている。

 外耳道は、鼓膜の付近では皮膚の鱗屑がきらきら光
るように内側を覆っている。
耳管は著しく肥厚し、鼓膜は盛りあがって骨部外耳道
あたりで多少狭くなっている。
乳様突起は大きく、切痕は全くないが、その空洞には
内面を血の滲んだ粘膜が覆っているのが目立つ。

 側頭骨錐体部にはその実質内に著しく血管網が全
体に増殖しており、同じように血液が充満し殊に蝸牛
殻の部分でそのような変化が強い。蝸牛管のライス
ネル膜は多少赤みをおびている。

 顔面神経は著しく肥厚、これに反し聴神経は萎縮し
菲薄になり無髄化しており、聴神経に沿って縦に走る
迷路動脈は入口部で引き延ばされ軟骨化している。


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